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2019.3.23 トンボのすむ水辺

◇トンボのすむ水辺 池沼のエコロジカルネットワーク
◇講師 埼玉県自然学習センター 高野徹氏
◇2019年3月23日 日曜日 10時〜12時

トンボという昆虫・・・飛翔力にすぐれ、地球が生み出した最高の飛翔動物
トンボの起源 原トンボ目 古生代石炭紀後期3億2500万年前の地層から化石→メガニュラ現在のトンボのルーツ ムカシトンボ亜目 中生代三畳紀〜ジュラ紀〜白亜紀に出現。1億5000年前恐竜。日本と中国にムカシトンボの仲間が3種類現存している。カゲロウ目が近縁の昆虫。

世界(6000種、2012年5月現在)のトンボ・日本(203種)のトンボ・埼玉県(90種)ヨーロッパ全体(120種)イギリス(40〜50種) オニヤンマは大きいトンボで小さいトンボはハッチョウトンボ
日本では「勝虫」と呼ばれ後戻りしないのでも縁起が良いとされ、一方外国では「トラゴンフライ」と呼ばれ不吉な虫と思われている。

トンボの特徴
トンボの眼(大きな複眼に2個 1万〜3万個の個眼、視野は360度で色、紫外線、光の偏光面〈水面のかがやき〉、動き検出、動態視力がすごい。明るさを見る単眼は3個)
飛翔力がすごい(前後の翅を交互に動かし巧みに飛ぶ。頭部の触角や毛状感覚器官を気流センサーとして使用。翅の基部に筋肉の飛翔筋が付着し、直接翅を動かすので、素早い飛翔が可能となる。)
アキアカネやミヤマサナエは羽化後、山地〜亜高山帯まで移動して夏を過ごし、秋に繁殖水域に戻る。移動距離は翅にマーキングをつけて図ったところ70〜80キロ。イトトンボは1キロ移動。
食べ物(幼虫、成虫共に肉食、ユスリカ科、カ科の昆虫をエサ資源にしている。他種のトンボやセミなどの大型の昆虫を接食することもある。クモを食べる種としてネアカヨシヤンマ、アオヤンマ)
色彩が変化する(♂♀成熟期、未成熟期で色彩が変化する)
特別の脚(ほとんど歩けない、獲物をつかむために特化した脚。短い触角)
トンボの生活 幼虫は水生で、水環境は流水性と止水性と湿地性(ムカシヤンマ)。羽化後水域を離れる。幼虫時期最短がウスバキトンボで約30日間。オニヤンマ4〜5年。ムカシトンボは7〜8年で最長。80%のトンボは幼虫で越冬。アカネ属、ルリボシヤンマ類、アオイトトンボ類は卵で越冬。成虫越冬はオツネントンボ、ホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボの3種。羽化の時間は1〜2時間で夜から明け方。成熟すると繁殖水域に戻り、オスは縄張りを持つ。オスの一次生殖器は第9腹節、精子置換し、他のオスの精子を掻き出し自らの精子を注入する。
トンボのいる場所 住む場所の違いを知ることは大切
★山間の渓流
ムカシトンボ ミルンヤンマ ミヤマカワトンボ クロサナエ
★河川中流部
アオハダトンボ アオサナエ オナガサナエ コオニヤンマ
★河川下流域や湖
オオサカサナエ ナゴヤサナエ ネガネサナエ
★河川河口付近
ヒヌマイトトンボ アオモンイトトンボ
★小川や農業用水路
ハグロトンボ ヤマサナエ キイロサナエ
★開けたため池
ギンヤンマ コシアキトンボ コフキトンボ ショウジョウトンボ クロイトトンボ オオヤマトンボ ウチワヤンマ ネギトンボ 
★森に囲まれた池沼
チョウトンボ リスアカネ モノサシトンボ

美しいトンボ マルタンヤンマ
ヤンマ類屈指の希少種 ネアカヨシヤンマ

エコロジカルネットワークを機能するには、核(生物の供給源)と回廊(つながり)と拠点(小動物の休息地)が必要である。

感想 核になる場所を保護し、結果は生きものに聞くようにして、拠点を作ることと回廊を確保ることが大切だと思った。お話しはとても参考になった♬
(記 加倉井範子)


by trust-0 | 2019-05-05 11:58 | 研修


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