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身近なアリの不思議な生態

□日時 2016年10月6日 18時30分〜20時45分
□講師 東京農工大学農学研究員 准教授 佐藤俊幸氏(動物行動学)

ありに似ているいきもの
アリバチ アリグモ ホソヘリカメムシの幼虫

巣の場所
地中 クロオオアリ クロヤマアリ ケアリ トビイロシワアリ クロナガアリ 
石の下 トビイロシワアリ アミメアリ 
朽ち木の中 ケアリ ハリアリ 
枯れ枝の中 ヒラズオオアリ ヤマヨツボシオオアリ

アリはどんな昆虫
★アリはハチの仲間
★日本に300種、固有種は5〜10%
★ライバルがいなかったので、アリは多様化した。
★腹柄節が1〜2ある。働きアリは腹柄節が進化。方向転換しやすい。蟻酸をうまく出すことが出来る。
★触角がへの字であり、折りたたむことが出来る。
★土の中で生活するためカビが生えないように、コウキョウセン(抗菌物質)
★アリは真社会性
★巣場所の競争が激しい。アリは戦国時代のよう(さなぎの時に別の巣に持ち込まれると、本当の親とけんかしてしまう。)
★アリは雑食性。エサは昆虫や昆虫の死骸、樹液、花外密腺
★コロニーの大きさ1000個体クロオオアリの場合。

アリと環境
★アリは空洞があれば棲むことが出来る。使える空洞は利用している。植物のアジサイやカラスザンショウを巣に使う。
★アリは乾燥に弱い。
★アリの巣の深さ クロナガアリ4m クロヤマアリ2m アメイロアリ(カイガラムシの甘い汁をもらっている)20㎝
★雨が降ると石などで止める。雨の後土を出してメンテナンス掃除している。
★巣口の防衛をしている。

いろいろなアリ 
★種の同定は腹柄節とトゲ 外部形態で比較する。
○奴隷を狩るアリ→サムライアリ
○居候して巣を乗っ取るアリ→トゲアリ
○女王がいない→アミメアリ(行列を作る、完全平等社会) 
○女王がたくさんいるアリ→ヤマヨツボシオオアリ
○女王は母のコビー、息子は父のコピー、働きアリは父母の娘→ウメマツアリ
○砂をかけたり石を投げたりするアリ→トビイロシワアリ
○身近にいたらやばい寄与大帝国をつくるアリ→アルゼンチンアリ
・アケボノアリ(琥珀の中にいる) ・フタフシアリ(アメ色で腹柄節が2つ) ・ナガフシアリ(腹柄節が2つ)  ・アカツキアリ(夜行性) ・ヤマアリ亜科(腹柄節が1つ) ・カタアリ亜科(腹柄節が1つ) 
・ハリアリ亜科(森にいる) ・ムカシアリ亜科(天然林、照葉樹林にいる。古い生態) ・クビハリアリ亜科(アリを食べるアリ) ・クロヤマアリ(せわしなく動く) ・クロクサアリ(頭がハート型 サンショウの臭いがする) ・ウロコアリ(トビ虫しか食べない。落ち葉の下にいる) ・ノコギリハアリ(ムカデしか食べない)
★アリはニッチを分けている。富士山だけでも50種いる。アリは垂直分布がきれいに出る。
・アカヤマアリ ・エゾヤマアカアリ ・オオコツノアリ(小さい) ・ツヤクシケアリ(メタリック色火山性) ・タカネムネボソアリ(石の下) ・クシキアリ ・アシナガアリ(低いところ) ・ムネアカオオアリ(高いところ山地の寒いところ)

アリの生態
コロニーの成功率は低い。女王アリは移動しない。オスは自分でエサをとれない。アリの天敵は同種のコロニー。冬はじっとしている。ツキノワグマはマユを食べている。アリは食べ物を吐き戻して食べている。
★クロオオアリの場合 ゴールデンウィークに結婚(夕方)→女王(20年生きる)は自分で羽を落とす→穴に入る→自分で育てる(6〜7月ウカ)
★サムライアリの口はユーフォーキャッチャーの様な形で卵を傷つけないような形態をしている。卵やサナギは取るが女王を襲うことはしない。卵はサムライアリにすり込まれて、奴隷となり働く。自然が豊かでないといないアリ。

アリの研究は何の役に立つか・・・分かっていないけどいつか人間の役に立つこともありかな?

教えて頂いた本:「学研の大図鑑日本産アリ類全種図鑑」「学研の写真図鑑アリ」「アリの王国」ポブラ社 「アリの生態ふしぎ見聞録60年の研究が明かすアリの素顔」技術評論社 「ありとあらゆるアリの話」講談社
ネット:日本産アリ類画像データベース
(メモ 加倉井範子)

by trust-0 | 2016-10-07 18:11 | 研修


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